効果検証と因果推論入門(安井翔太)

  • 効果検証と因果推論入門1

    「Aを使用すると、効果Bが起こる(例:この広告デザインを使用すると、顧客の流入が増える)」といった宣伝文句は、本当に効果が検証されているのでしょうか。
    何をどう調べれば、使用と効果に因果関係があると結論付けられるのでしょうか。そもそも因果関係とは何でしょう。
    この講義では、これらの問いについて、統計学によって考察していきます。
    選択したデータに恣意性が混入していると、見せかけの因果関係が発見されてしまいますが、その恣意性を排除する手法などについて解説します。

  • 効果検証と因果推論入門2

    「Aを使用すると、効果Bが起こる(例:この広告デザインを使用すると、顧客の流入が増える)」といった因果関係を検証するためには、Aを使用したときと、そうでないときとの差分を調べねばなりません。
    そのための統計的手法として、回帰分析と傾向スコアについて解説します。
    いずれもウェブサービスの運営においてはとりわけ有用な手法です。

  • 効果検証と因果推論入門3

    入手できるデータが荒いときは、データの偏りが大きくなりがちです。
    そのときに偏りを減らす手法について解説します。
    完全に偏りをなくすことはできずとも、仮説やデータを用いて一定の信頼性を確保することができます。

  • 効果検証と因果推論入門4

    これまで3回の講義で因果推論を解説してきましたが、実務でその導入が難しいときがあります。
    意思決定者が最初にバイアスをもっており、意思決定を変えるコストが膨大な場合はその例です。
    今回はそのときの対応策について、組織文化の改善といった観点から説明します。
    また、人間の行う因果推論は将来AIに代替されるという意見がありますが、両者にはそれぞれ得意な作業があります。
    AIは一定の精度の予測を早く、安価に行うことが得意ですが、効果を推定することは苦手です。
    一方、人間は、予測の結果から、効果を推定することが得意です。両者は補い合うのです。
    全4回の締めくくりとして、因果推論の将来についてお話しします。