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- 行動ファイナンス1
行動ファイナンスの誕生-金融市場の非効率性
行動ファイナンスは何故誕生したのか。それは伝統的ファイナンスが想定する効率的市場仮説の妥当性が現実の株価市場の研究によって揺らぎ、新たなファイナンスが求められたからである。
今回の講義では、まず株価の決定方法とそれに対する伝統的ファイナンス・行動ファイナンスそれぞれの考え方について整理し、その後行動ファイナンスが誕生するに至った学問的な経緯を、シラーの研究やロイヤル・ダッチ・シェル社の双子の株式の研究などを通して学んでいく。
また行動ファイナンスが実際の投資においてどのように有利に働くのかについても考察する。
- 行動ファイナンス2
株式市場における個人投資家の行動
初めに前回講義の復習と講義の終盤に出題された課題解説を行う。
次に株式投資家が持つ3つのバイアスについて説明する。
人は株価が上昇すると更なる上昇を見込んで投資を行い、株価が下落すると更なる下落を見込んで株を手放す傾向にある。
どの国に属するかに依らず、人はトレンドの動きを過信して、意思決定を行うようだ。
また、人は損失領域と利益領域で異なる反応を見せたり、目に見える情報を過剰に評価する一方、目立たない重要な情報を見逃したりする傾向にもある。
以上3つのシステマティックなバイアスが株価の歪みの原因となり、利益発表後ドリフトのような現象が発生することを確認する。
- 行動ファイナンス3
株式市場のアノマリーと投資家行動
株式投資で利益を得るためには銘柄選択が非常に重要である。
銘柄を選択するにあたり、株式市場の “アノマリー” を知っていると投資を有利に運べるかもしれない。
アノマリーとは効率的市場仮説に矛盾して生じる株価の変動を表し、伝統的ファイナンスではその現象を説明することができなかった。
しかし、行動ファイナンスはその現象に対して、個人投資家や機関投資家の行動、市場心理、企業行動によって解釈を与え、非効率的な株価市場を説明し、投資機会の創出を可能にした。
本講義は実際の投資判断に非常に有益なものとなるだろう。
- 行動ファイナンス4
金融市場のサイクルと投資家心理
第3回講義では株式投資における銘柄選択の重要性を説いたが、投資のタイミングもまた重要である。
どんなに優れた銘柄でも投資のタイミングを間違えると儲けることができない。
本講義では株式市場のサイクルが、投資家や企業の心理を元に構成される要素やシグナルと連動していることを確認する。
投資家の市場に対する期待や心理の推移は相場の天井や底値の推測に大いに役立つ。
また、株式市場の循環と景気循環は密接な関係にあり、企業の設備投資や社債市場における投資家心理、金融政策などから得られる要素やシグナルが景気循環と相関を持つことを確認する。