マクロ経済政策とビジネス環境(江口允崇)

  • マクロ経済政策とビジネス環境1

    マクロ経済政策の基礎
    本講義は、政府が行うマクロ経済政策が経済にどのような影響を与えるのかを、特にビジネス環境とのつながりを意識して解説します。
    マクロ経済政策には財政/金融政策の2種類があり、景気の向上や金利引き下げを通じビジネス環境に大きな影響を与えます。
    今回はマクロ経済政策を学ぶ上での基礎として、経済の仕組み、市場に対する政府の役割(「マクロ/ミクロ経済政策」)、そして、マクロ経済におけるお金の流れ(「マクロ経済会計」)について解説します。

  • マクロ経済政策とビジネス環境2

    財政政策〜財政出動はコロナ不況を救うか?〜
    初回講義ではマクロ経済の概観を把握しました。
    続いて第2回ではマクロ経済における生産・分配・支出の決定要因について学びます。
    その後、総需要が経済を決定するという着想を元に作られた「45度線モデル」や「IS-LMモデル」という伝統的ケインズモデルを導入し、財政政策に関するマクロ経済政策の実証分析へと進みます。
    更に、ケインズモデルの問題点について指摘し、理論と実証の乖離やモデルの拡張可能性について説明します。

  • マクロ経済政策とビジネス環境3

    金融政策〜アベノミクスとは何だったのか?〜
    金融政策とは、中央銀行が金利を操作することで需要に影響を与え景気をコントロールしようとするものです。
    第3回目の今回はIS-LMモデルを導入し、金融政策を学びます。
    次に、日本における政策に目を向け、ゼロ金利下での金融政策の効果について考えます。
    名目金利とは貨幣単位で計る金利であり、実質金利とは実物財単位で計る金利です。
    名目金利がゼロとなり、それ以上下げられない場合に講じられる非伝統的金融政策について学び、アベノミクスの狙いを理解します。

  • マクロ経済政策とビジネス環境4

    政府債務問題〜日本は財政破綻するのか?〜
    今回の講義では、政府債務の問題点に関して、特に財政破綻のリスクに焦点を絞り説明します。
    財政の持続可能性についてのマクロ経済学における理論的な条件(横断性条件)は、政府債務の割引現在価値がゼロに収束することです。
    財政の持続性条件について、貨幣と中央銀行の概念を導入し分析します。
    貨幣発行による財政の持続可能性を考えるフレームワークがFTPLです。
    ここではFTLPのメカニズムと、MMT理論との一定の共通性についても解説します。